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執筆者の写真Kumiko sugahara

2021年5〜6月 立山黒部アルペンルート ターミナル救助室勤務 高山病患者の対応


長野県大町市と富山県立山町を結ぶ立山黒部立山アルペンルート。春には雪の大谷のイベントが開催され、多くの観光客で賑わいます。

しかし、ターミナルのある室堂は標高2450m。観光客で体調を崩す方は主に高山病です。特に多いのが子どもです。子連れ家族で子どもだけが具合悪くなるケースが多いのは、子どもは口渇を感じづらく自ら訴えることも少ないためです。聞くと、親は水分摂取をしていたが、子どもは喉も乾かないと言うので、そういえば昨夜からほとんど飲んでいなかったし、朝ごはんもほとんど食べていないという具体です。飲まず食わずだった小学生姉妹で嘔吐し、酸素の値がなかなか上がらず、口から少しずつ水分を取るもののゴクゴク飲んでもくれず、点滴もないため状態が回復せず、救急搬送でなんとか対応したということもありました。山の中であるため、天候が悪化すると、ヘリはもちろん、ホワイトアウトで救急車がたどり着くこともできず、通常片道40分かかる雪道もそれ以上の時間を要します。


子どもと言っても、中学・高校生の方などは、水分摂取を促せば自身でなんとかしようと飲んでくれました。真っ青な顔で倒れ車椅子で運ばれた家族と来ていた少女は、どうしてもここのホテルに宿泊したいと、それなら水分摂取1L以上とエネルギー摂取をすること、酸素の値が上がり、しばらく歩いても平気なら大丈夫でしょうと伝えると、言われた通りに飲食摂取し、血色が戻り酸素の値も正常になり、元気になり観光を再開することもできました。


ロープウェイや公共交通機関を使って高所に行く観光地では、こういった高山病になる方がとても多いです。しかし、高山病はもある程度予防できます。とにかく体調を崩している時は発症しやすいですから、体調を万全にしていくこと。水分摂取不足は一番発症しやすいので水分摂取をしていくことが大事です。寝不足でもなりやすいです。

高所は空気が冷えて乾燥してるため、多くの方は脱水傾向になりやすく、ドロドロ血液となり脳梗塞や心筋梗塞も発症率が上がりますし、もともと持病のある方はその病気が悪化する傾向にあります。

基本は、しっかり飲んで、しっかり食べて、しっかり寝て準備してほしいです。そうすれば、元気に素晴らしい景色を存分に楽しめると思います。




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